平成27年度事業活動
1.研究動向調査および研究推進活動
(1)核融合に関する研究開発及び派生技術動向調査研究
①国内外における核融合研究開発動向調査研究(京都大学)
国際熱核融合実験炉(ITER)および幅広いアプローチ活動(BA)に係わるプロジェクトの動向を調査するとともに、関連した国内外のトカマク・ヘリカル核融合実験装置の研究活動の成果を国際会議等での報告を活用し、世界の核融合研究の進展を調査・検討する。
②LHD研究における技術開発及び関連技術の産業界への波及効果についての調査研究
(核融合科学研究所)
LHDの最新研究成果と技術開発の現状を調査し、国内外の学会・研究会にて情報交換をおこなう。また核融合研究に関連して発展した技術の産業応用について情報収集し、技術の波及効果について調査する。
③ヘリカル型核融合炉に向けた高速イオン異常輸送の解明と低減を目的としたCWGM活動の推進
(京都大学 山本助教)
ヘリオトロンJ実験の成果を基盤として、IEA協定のもとでのCWGM活動に積極的に参加し、高速イオン異常輸送の物理機構解明に関わる実験的ならび数値解析的研究を進める。そして、最終的にその低減とスケーリング則を確立し、もってヘリカル型核融合炉の高性能化を目指す調査研究及び関連する資料収集を行う。(新規)
④3次元MHD平衡計算コードを用いたプラズマ電流がヘリカル型プラズマ閉じ込め装置へ与える影響の考察と実験的検証
(核融合科学研究所 鈴木准教授)
ヘリカル型核融合炉のMHD平衡特性の予測精度を向上させるため、ヘリカルプラズマの研究を行っている国内外の研究機関との共同研究により、3次元MHD平衡計算コードHINTの改良とその実験的検証を行う。特に、本研究では正味のトロイダル電流が3次元MHD平衡に与える影響の考察とその実験的検証に重点を置いた研究活動を行う。
(2)ヘリカル系核融合研究アーカイブズ調査
(核融合科学研究所 武藤教授・京都大学 水内教授)
ヘリオトロン装置の発明者である故宇尾光治先生の遺された資料について整理とデジタル化を行っている。書庫12ユニットの内、凡そ1ユニットについて既にデジタル化を終了しており、継続して整理とデジタル化を行う。
(3)第15回若手研究者のためのサマースクール
(京都大学 長﨑教授/核融合科学研究所 渡邊教授)
エネルギー研究を担う若手人材の育成を目的として、ディスカッションを重視する合宿形式の夏期スクールを開催する。産学から広範囲に講師を招聘し、学生によるポスター発表やナイトセッション(夕刻講義)、施設見学等を行う。
(4)(社)プラズマ・核融合学会「若手学会発表賞」への協賛
(核融合科学研究所 武藤教授)
若手研究者の育成事業の一環として協賛を行う。
(5)国際学会等派遣助成事業
若手研究者の育成事業の一環として、国際学会等への派遣経費の助成を行う
2.普及広報活動
(1)講演会および見学会の開催
協会会員等への情報提供活動の一環として、核融合をはじめ未来エネルギー関連技術についての講演会および見学会を開催する。
(2)協会誌の発行
協会の平成27年度活動成果(調査研究成果、研究会成果等)を要約し、会誌として発刊する。
以上